車を所有している人のほとんどはローンを組み、毎月支払いながら使用していると思います。
しかし、様々な事情が合わさり、車を売却する決断をすることもありますよね。
ローン中の車でも売ることができるの？という疑問について、まずは結論からいきましょう。
[cc id=19 title=”賢威段落”]ローン中の車を売るためには？
結論としては、「売ることができる」と言えます。
では、どのような方法であればローン中の車でも売ることができるのでしょうか？
いくつか方法がありますが、売却方法は組んでいるローンの種類によっても変わります。
車の購入に関わるローンの種類は、大きく分けて『銀行・信用金庫の「自動車ローン」などの名称で知られるローン』と『自動車販売店（ディーラー等）で扱うオートローン』の2種類です。
さて、ここでお手持ちの車の車検証を見てください。
車検証の「所有者」の欄の名前があなたや、ご家族の個人名であれば「銀行・信用金庫のローン」です。
「所有者」の欄が自動車販売店の名前だったり、ローン会社の名前だったりすれば「自動車販売店のローン」です。
ローンの種類がどちらになるかによって売る方法は変わります。
所有者があなたやご家族の名前で、ローンの種類が「銀行・信用金庫」のものだった場合は、特別な手続きを行わずに通常の売却方法で売ることができます。
車の所有者がディーラーやローン会社の場合に車を売る方法
『自動車販売店）ディーラー等）で扱うオートローン』のほとんどは、ディーラーもしくは提携のローン会社等が扱うローンになっています。
そのため、「ローン支払い中の車の所有権はローン会社（ディーラー）にある」と言えます。
つまり、「所有者の許可なく車を売却することができない」ということになります。
万が一勝手に売ってしまったら、横領罪（占有離脱物横領罪）となり、刑罰が降ったり賠償責任を負うことになります。
所有者が自分以外の名義になっている場合は、必ず正当な手段でもって売却しましょう。
「所有者」の欄がディーラーやローン会社になっている車を売る方法は言ってしまえば1つしかありません。
『ローンを完済する』ことです。
しかし、ほとんどの方が「そんなまとまったお金いきなりは用意できない」と思いますよね。
安心してください、もちろん「即時一括返済」が絶対というわけではありません。
「車の売却額からローンを返済する」という方法も、場合によっては可能です。
もちろん、”勝手に売って支払う”ことをしたら横領罪に問われますので、売る前に所有権を持つ会社に相談する必要があります。
「車を売却したいので、買取査定を行ってもらう」という旨を一言告げてから買取査定を行いましょう。
その後、査定額が決まって納得してから再度所有権を持つ会社に連絡を入れ、「査定額がこの値段で、残額はこうこうして支払いますので売却してよろしいか」と確認をとります。
所有者が納得すれば、残額支払いとともに「所有権解除の手続き」を行ってくれます。
この「所有権の解除」が行われていない車は売ることができないので、必ず行いましょう。
さて、ローン会社からの承認を得て、車を売却するとします。
この時、以下の図式で支払額（受取額）が決まります。
［ローン残額 – 売却額 = 支払額or受取額 ］
例えば、『ローン残高100万円 買取査定額（売却額）90万円』」であれば、残りの10万円の支払いとなります。
『ローン残高100万円 買取査定額（売却額）110万円』であれば、10万円受け取ることができます。
単純な計算ですが、車を売ってその売却額でローン残金を支払う場合でも、手出ししなければいけない可能性もある、ということがわかります。
ディーラー名義の車を買い替える方法
単純に”売る”のではなく、”買い替え”の場合はどうなるのでしょうか。
売る（手放す）場合は上記で紹介した方法しか手はありませんが、”買い替え”の場合はもう1つ方法があります。
『完済』についてはこちらも同様ですが、「次の車の購入代金にローン残額を上乗せする」ことが可能な場合があります。
買取額がローン残高を下回っていて、ローン残金が50万円残ってしまったとします。
手放すための売却であれば、その50万円は手出しして支払わなければいけません。
しかし、買い替えの場合では『次の車の代金＋50万円』という形で新たにローンを組むことができます。
もちろんこの方法を行う場合も、ローン会社等の許可を得る必要はあります。
ここで注意点が1つあります。
手放す場合でも、買い替えの場合でも、ローンが残っている車を売ることになるのは仕方がないことであると言えます。
しかし、もし滞納や支払いの遅延が発生していたり、過去に発生させたことがある場合には、「売却額での返済」を許してもらえないケースもあります。
許してもらえないケースの場合、「手出しで一括返済」以外の方法が使えなくなりますので注意してください。
ローン中の車で”売れない”場合はあるのか
これまでの内容では、「ローン中の車でも売れる」と言いました。
しかし、例外は存在します。
ローン中の車で、売れないケースはどんなケースなのか？
これはローンの種類が2つのどちらにもかかわらず存在します。
1つ目のケースは、上記でも少し触れましたが「支払いに遅延・滞納が発生しており、残額一括返済も行えない場合」です。
遅延・滞納の経験があったりして、「支払い能力への不安」がある場合には、売却前に一括返済を求められます。
もしそれができない場合は、売ることができないということです。
2つ目のケースは、「ローン規約で途中売却を許されていない場合」です
銀行でもローン会社のローンでも、「ローン中の売却はできない」と定められている種類のローンは存在します。
この場合、規約にのっとって貸付も返済も行われているはずですので、「ローン中の車を売れない」ということになります。
細かく分ければ他にもありますが、大きく分けてこの2つのケースで売却できない、という事例が発生しています。
まとめ
これまでご紹介した内容をまとめていきたいと思います。
ローン中の車を売る方法
所有者が「自分」もしくは「家族」の場合
特別な手続きなく、通常の売却方法で売ることができる。
しかし、ローンは残るため、売却後もローンの支払いは必要。
所有者が「ディーラー」や「ローン会社」の場合
ローン完済の必要がある。
返済方法は「売却前に手出しで完済する」「車の売却額から返済する」の2種類ある。
買い替えの場合は、売却額でローンが完済できなくても、次の車に残額を上乗せして支払うこともできる。
完済後、「所有権の解除」の手続きをしてもらう必要がある。
勝手に売ると「横領罪」に問われる。
ローン中の車を売ることができない理由
ローン返済に延滞や遅延が発生している・した経験があり、信用度が低い「支払い能力への信頼無し」と判断され、「車の売却額でローンを返済する」という方法が取れない。
先に完済する必要があるが、それができない場合は車を売れない
ローン規約に明示してある
銀行・ローン会社問わず、ローンの中には「ローン途中での売却を禁ずる」という規約があることがある。
規約にその一文が明示されている場合は、どのような条件でもローン中の車を売ることはできない。
所有権がディーラー・ローン会社の車を売る際の注意点
勝手に売ると刑罰・民事賠償責任を負う
所有権が別者にある車を勝手に売ると「横領罪」「占有離脱物横領罪」に問われ、刑事罰を負うことがある。
民事賠償責任を負うことがある。
